ブームキックバング

 上の写真にある2本の丸棒で構成されるのが、ブームキッカーです。このタイプの良いところは、メインハリヤードを緩めてもブームが落ちてこない事です。これはリーフ作業も楽にしてくれますし、降ろしたメインセールを整理するにも便利です。ブームトッピングリフトは基本的には不要となります。グラスファイバーの丸棒の反発力でブームとセールを支える力持ちです。従ってブームを下に引くには従来のテークルを少し強力にしなければなりません。35フィート以上の艇になると、ブームやセールの重量が大きくなるため、ブームキッカーより強力なエアーシリンダーやコイルスプリングを内蔵したキックバングが必要になります。

 ブームの高さを調節する装置をブームバングと言います。ブームバングはブロックを組み合わせてテークルとし、そのロープを引いてブームの跳ね上げを抑えて、メインセールのリーチの調節をする装置です。風があればセールはブームの重量を物ともせずに跳ね上がりますので下に引く機能があれば十分ですが風が弱いとブームはその重量で垂れ下がりリーチはタイトになってしまいます。そんな時に、ブームを持ち上げる機能が必要になるのです。そのためにブームトッピングリフトがありますがブームの高さをこまめに調節するのは大変です。そこで、ブームをキックアップ(持ち上げる)する装置が必要になります。

 従来のテークルと並行して金属のパイプがブームの垂れ下がりを支えるように取り付けられ、そのパイプの中に強力なバネや高圧ガスのシリンダーを入れてブームを跳ね上げるようになっています。これが、ブームキックバングという訳です。艇の大きさや、用途によって様々な製品がありますが、35フィート程度までの艇なら、ブームキッカーという製品が手軽で便利でしょう。

アルミの丸棒の中に強力なエアシリンダーを内蔵するキックバング。